近年、わが国のスポーツ界において、暴力・しごき、金銭・人事をめぐるトラブル、大麻所持事件などが頻発し、スポーツに対する社会的な信頼が揺らいでいます。また、プレイの場面においても、ルールの無視やルール違反まがいの風潮が広がっています。こうした事態は、スポーツの発展に逆行するだけでなく、スポーツの存在意義を内部から突き崩す憂慮すべき問題です。
スポーツは本来、人間がより人間らしく発達するために、また生活をより豊かに向上させるために、人類が生みだしたかけがえのない文化です。個人のレベルでは健康と楽しみをもたらし、技術の習得と能力の発揮による自己表現、達成感、そして他者との交流と連帯を創り出します。社会レベルでは、社会関係を豊かにし、諸国民間の相互理解と友好を促進し、平和に貢献します。
フェアプレイ精神は、なによりもスポーツの競技において、ルールに基づき公正に振る舞い、自己の最善を尽くし、相手を対等の仲間として尊重することから始まります。このフェアプレイ精神を発揮することは、スポーツの価値を高め、スポーツの真の発展に貢献します。フェアプレイ精神はスポーツの価値の核心をなし、明記されたルールの範囲でプレイすることを越えた意義を持っています。さらにフェアプレイ精神は、競技場だけでなく社会において発揮することによって人々を人間的にも成長させます。
スポーツへの政治の介入や過度な商業主義的利用を規制し、フェアプレイ精神を擁護し発揮することは、スポーツ団体・指導者・選手・スポンサー・メディア・観客などスポーツに関与するすべての人々の共通の責務となっています。
創立以来、スポーツを国民の基本的権利として位置づけ、スポーツの文化的荒廃を正すことに取り組んできた新日本スポーツ連盟は、あらためて、自らのすべての活動においてフェアプレイ精神を発揮することを宣言します。同時に新日本スポーツ連盟はあらゆるスポーツ関係者が「フェアプレイ精神によってスポーツの未来を拓く」ために、協力・共同することをよびかけます。
2009年2月15日 新日本スポーツ連盟